試験について。。。
2019-05-01
さて、今回は今までと少し違った内容の記事を書きたいと思います。
この「ため池工事」
基本的には土を盛って転圧して・・・の繰り返しですが。
実は現場で1m盛土をするごとに、試験を行っています。
これは池の堤体が設計で求められているだけの製品になっているかを定期的に確認するためのものです。
試験の内容は次の通りです。
1.現場密度試験(砂置換法)
2.含水比試験
3.透水試験
専門的に説明すると学校の勉強みたいになり、難し~くなりがちなので、とっても簡単に説明しますね。
専門的な言葉も使いません!!ので、そこについてのご指摘は受け付けませんのでご了承くださいm(_ _)m
1.現場密度試験では土の密度を調べます。
この試験は盛土施工管理などで使用され、土の締固め度合いをはかるものです。
今回は「砂置換法」という方法を使っています。
簡単にいうと、盛土した部分の土を掘って、開いた穴に密度の決まった砂を入れ、入った量から土の密度を計算する方法です。
掘った土の重さと、入れた(密度のわかっている)砂の重さから、土の密度がわかります。
※掘った土は水分を含んでいるので、ここでわかる土の密度は湿潤密度といいいます。
次に、2.含水比試験です。(1の現場密度試験の一部でもあります。)
掘った土をフライパンで煎ります。
「煎る」という言葉が適切かわかりませんが、要は土の水分をとばします。
煎る前の土の重さから、乾燥させた土の重さの差が水分量ですね。ここから土と水の比率「含水比」がわかり、先ほどの湿潤湿度と併せると、土の乾燥密度がわかります。
この含水比試験は盛土前の土を使って、毎日作業前にも行われており、日々の土の状態をこの試験で調べて、乾燥しすぎていれば散水するなどして土の水分量を調節し、適当な水分量の土で盛土を行うために利用しています。
また、3.透水試験では
盛土部分へ塩ビの筒を埋め、水を張ります。
この水がどのくらいの時間をかけて浸透していくのか、1時間、6時間、24時間と一定時間ごとの水位を測定します。(計測時間は例えです)
これらの試験を盛土1mごとにしますので、盛土作業もその都度止まるわけです。
透水試験は試験を開始したら最後の計測を翌日の作業開始前に行います。
なので、試験があると1日は作業があく様になります。
※写真をクリックすると拡大します。
盛土を1mして、上記の試験をする。。。
1日盛土はお休み。。。
その間にコンクリート構造物を作ったり出来れば良いのですが、施工の順番は決まっています。
構造物を作る高さまで盛土をして試験をするタイミングであれば、試験の間に構造物の作業が出来ますが、
逆に試験が終わっても構造物が完成しなければ次の盛土は行えません。。。
大変ですけど、品質管理のためには必要な工程ですね
それと、もう一つ。
1週間ほど前に打ったコンクリートの試験を工場で行いました。
覚えていますか??コンクリート打設の時に小さな筒状のコンクリートブロックを6つ、同じコンクリートを使って作りました。
供試体(きょうしたい)というもので、コンクリートの強度が指定以上出ているのかを確認する為に試験用に毎回作ります。
樋管工事でコンクリート打設の時にもご紹介しましたね。
試験はこんな感じ↑↑
コンクリートの出荷工場で行いました。
専用の装置左側に供試体を置いて、荷重をかけていきます。(写真左)
そのまま供試体が耐えれなくなるまで荷重を増やしていきます。
それを3つの供試体で行って、平均値を出します。
その結果が真ん中の写真。。。
強度はニュートンという単位で表すんですが。。。
今回の結果は写真を見ると・・・
1.20.0N/mm2
2.19.6N/mm2
3.20.5N/mm2
となっていますね。
これは「1平方ミリメートルあたり、20ニュートンの支える力がある」ということです。
では、20ニュートンとはどのくらいの力になるのでしょうか??
答えは、Kgになおすと約2Kgになります。
1ミリ平方メートルで2Kgを支える強度があるという事ですね!!
10cm角になおすと約20トンです!!!
わずか10cm角の面で20トンを支えられるなんて
圧縮には強いコンクリート。さすがの強さです。
次は28日後の試験です。その時に指定以上の強度が必要となります。
コンクリートは打設から日数をかけて固く強度が増していきますので、今回の試験より28日後の試験の時の方が強度は大きくなります。
ちなみに今回のコンクリートの配合では24ニュートンの強度(が出るように配合してますよ)となっていますので、今で約8割。
目安としては合格ラインです
ここでもし目安の8割強度が出なければ、現場で打設したコンクリートも壊して作り直しになってしまいます
現場では、皆さんに安全・安心な完成品を使っていただくだめに、このように色々な試験を繰り返しながら製品を作っています
今回も長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。
本日も無事故・無災害で作業を終えることが出来ました。
皆様、ありがとうございました。