邑久高校の生徒さんがインターンシップに来られました!
令和5年7月25日(火)~27日(木)
夏休みを利用した三日間、邑久高校の2年生1名がインターンシップに来られました!
内容は各日朝から夕方まで、現場見学・体験作業を、今回は施工管理の仕事内容に重点をおいて行いました
==1日目==
【AM】 座学(仕事内容・事業説明)
橋脚建設工事の現場を見学
【PM】 橋脚工事・道路改良工事の現場を見学
施工管理体験(安全対策のお手伝い)
まず初日は、最初に土木のお仕事についてや、芦野組で実際に施工した工事の紹介など簡単な座学の後、さっそく現場見学に行きました
とはいっても最初に見学した現場はほぼ完成に近い現場だったので、どんな工事だったのかを聞きながら施工した成果物を見るというものでした
そして午後からはまた別の現場見学へ
一番暑い時間帯なので、ヘルメットに加えてもちろん空調服も装備して行きました!!
※この時期は時間帯とか関係なくもう朝から暑いですが
こちらは現在工事真っ最中の橋脚・道路改良の現場で、新しくできる高速道路のジャンクションを建設している現場という事もあり、複数の会社が同じ敷地内で工事をしているというスケールの大きさです
あちこちに高さ20m程の橋脚(高速道路を支えるコンクリートの柱)が建っていたり、建設途中だったり。
そんな中、芦野組が施工している山肌の切土の現場へ行きました!
今ある高速道路は山の際を通っているため、その山の中腹を切り開いて新しいジャンクション道路を作るためのスペースを作る工事です。
現場まで山の斜面を上って行きました(もちろん足場や通り道はきちんとあります)
そして、そこで安全対策の作業をお手伝いしてもらいました
作業スペースは山の中腹なので、作業スペースの端には転落防止措置をしています。
そのロープが今よりもっと目立って危険注意喚起の役割をしっかり果たせるために蛍光テープを取り付けました
作業員さんや重機オペレータ―の方たちの目につくように、1か所ずつテープを結んでいきました
協力会社さんが安全かつスムーズにお仕事が出来る環境づくりをするのは施工管理の仕事です。
現場内を歩いて危険な箇所はないか、安全施設に不備はないかなども日々確認しています。
また夏場の暑い時期にはしっかりと休憩が取れるように、日陰やスポットクーラーを整備したりもしますよ
1日目の様子
==2日目==
【AM】 座学(上下水道について)
体験(測量の練習・墨出し)
ドローン体験
【PM】 河川護岸工事の現場を見学
実際の現場で測量をしてみる
2日目は午前中、測量の練習と墨出し体験を行いました。
今回のインターンシップでは水道工事の見学はしていませんが、体験で行った「墨出し(簡単に言うと目印をつける作業です)」は、水道の現場で使う事も多いので、まず最初に上水道と下水道の仕組みや違いについての勉強をしました。
※上水道・下水道は普段の生活にも欠かせない身近なものだし分かりやすいかな、という思いもあります
墨出し作業は土木の現場でも普通にたくさん使うので、水道特有というものではありません
その後、墨出し体験。この作業はコンクリート構造物を作ったり、道路のアスファルト舗装を切断する時の位置を書き記しておく作業です。上下水道等の管を道路下に埋設する位置などを書くこともありますよ。
体験では、分度器を使わず正方形を書いてみました
例えば1辺が1mの正方形を書きたいときに、最初の1辺は1m測って1本の線を引けば書けますがその後、直角方向に2辺目を書くときはどうやって角度を測るでしょうか?
正解は三角関数を使うのですが、少し頭をひねりながら何とか書くことができました
(高校生の土木体験では、この作業は定番で取り入れています。学校での勉強が社会に活きるんだ、と皆さん実感して帰られる事が多いです)
その後、測量の練習です。今回使った測量器は「レベル」といって水平の高さを測るものです。
午後からは護岸の工事現場に行って実際に高さを測ろうと思っていたので、そのために少し練習をしました。
三脚を立てて測量器を据え付け(水平にセット)するところから。。。
セットができたら、測点(高さを測る位置)に立っている人が持っている計測目盛り棒(スタッフといいます)の目盛りをレベル(測量器)を通して読みます。
現在では、電子レベルといって人の目で目盛りを読まなくてもボタン一つで自動計測してくれる便利なものがありますが、今回は自分の目で目盛りを読むというアナログな測量を体験してもらいました
測量は工事前の現況を測ったり、完成後の成果物を測ったり、施工管理としてどんな工事においても必ず行う作業ですどんなに便利になった今でも、測量を勉強する時にはまずアナログな測り方から学んで仕組みなどをしっかり理解してから電子機械での応用になると思います。
※アナログな方法であれば、例えば災害現場のように電気が止まっている場所でも機械の充電の必要もなくどこでも行えますからね
そして午前中最後は、ドローンの体験を。
体験では基本的な飛行操作のみでしたが、実際に飛ばして会社倉庫から事務所までの往復操作をしてみました。
実は今年、ドローンも新しくし、空からの測量も出来るスグレモノになったので、実際の現場での作業もより一層効率化されています
ドローンの飛行には届出が必要な地域もありますが、会社の周辺は届出の必要のない場所なので敷地内での飛行体験となりました
(当たり前ですが、現場での飛行では必要な届出をきちんと行っています)
午後からは、再び現場の見学です。
2日目は河川の護岸工事の現場へ行きました。
こちらの現場は完成までもう少し護岸の堤体本体の盛土作業をしていました。
新しく作ったコンクリートブロックの護岸は既に出来上がっていましたので、そのブロック護岸がきちんと設計書通りに作れているかを実際にレベル(測量器)で測ってみました。
今回の学生さん、測量がとっっっても上手で現場の担当者も驚いていました
測量器は設置して基準となる位置の測量をしたら(目盛りを読んだら)、器械をその場で回転させて同じ場所から今度は高さを知りたい位置の目盛りを読むんです。
なので、器械から測りたい位置までの距離が毎回変わるため、その都度ピントを合わせて目盛りを読むんですが、そのピントを合わせるのも早いし、目盛りを読むのも早くて正確!
早いのが良い、という訳ではありませんが測量器自体に触れるのも初めてという事だったので皆ビックリしていました
(肝心の成果物の出来もとても素晴らしい出来上がりでした)
と、二日目も盛りだくさんの1日で体験終了です。
2日目の様子
==3日目==
【AM】 産業廃棄物運搬の追跡
【PM】 午前中の集計
施工管理について(写真の整理)
小物づくり
3日目、最終日です。
午前中は産業廃棄物運搬の追跡作業を体験しました。
さて、産業廃棄物とは何でしょう??
文字の通り、産業において出る廃棄物(ごみ)ですね。
産業とは「生活に必要なものやサービスを生み出す活動」とあります。
農業・漁業・商業・工業・飲食業などなど。仕事には様々な業がありますよね。
それらの仕事を行う中で出る廃棄物を産業廃棄物と言います。
もちろん家庭から出る一般ごみとは違って、日々たくさんの量の廃棄物がでますよね。
その中で、排出量や処分した場所などをきちんと記録し、正しく処理をしなければいけないと決められた廃棄物があります。
建設業だと、コンクリートがらやアスファルトがらなどの人工的な構造物を壊した時の廃棄物や、汚泥、ブラスチックや陶器・ガラス(これらも人工物ですね)、あとは木くず(伐採した木など)も産業廃棄物で排出量の報告が必要です。
今施工中の現場でも山肌の掘削工事では木を伐採しましたし、護岸の工事では元々あった堤体を崩した時に道路舗装のアスファルトがらが発生しました。
こうした産業廃棄物は処分場へ運んだダンプトラック1台につき集計表を1枚つけて、排出した日付や排出量、処分場、処分場で処理した日付などを把握・管理しているんです
そして運んだ経路も報告するために、追跡写真の撮影も行います。
と、ここまで前置きが長くなりましたが、最終日午前中に行ったのはその追跡作業です
社員が運転する追跡車の助手席に座り、要所要所で前を走るダンプトラック(とまわりの風景)の写真を撮影してもらいました。
写真がぶれないようにと緊張したみたいですが、どれもキレイに撮れていました。
この写真をそのまま工事の提出書類として使わせてもらおうと思います
処分場までの往復で、午前中は終わりました。
そして、最終日午後。
午前中に発行した産業廃棄物の集計表をパソコンに入力する作業を体験。今日発行したのは1枚のみですが、現場が始まってからの集計表を一部、入力してもらいました
その後、工事写真の整理にも挑戦!!
工事中に撮影する写真の数は(工事の規模にもよりますが)数万枚になることも
撮影する写真は、工事前の現場の写真に始まり、工事の作業写真はもちろんのこと、現場事務所やトイレの設置の様子、協力会社さんとの朝礼、資材が搬入した時・数量の確認、発注者の方との立会い確認、先ほどの産業廃棄物の追跡写真、現場で使っている機械や道具などの写真、成果物が完成した時の測定の様子などなど種類も多岐にわたります。
これらの写真を工事後に一気に整理するのは気の遠くなる作業なので、日々少しずつ写真を分類したり書類作成に使うもの、いらないものなどに振り分けをしておくんです。
それをお手伝いしてもらいました。
それこそ昔は、エクセルのような一般的なソフトで提出用の書類を作るのに1枚ずつ挿入・貼付け・写真のタイトルなどを入力・・・としていましたが、
技術の進歩とともに工事書類作成用の専用ソフトが出来、写真を振り分け・整理する事で提出用のフォーマットに自動で張り付けてくれるものが当たり前となり、今では写真を撮影する時のカメラに写真のタイトルなどを入力しておけて、専用ソフトに取り込めば自動で振り分けまでしてくれるようになっています
そして、3日間の最後は思い出のお土産作りでセメントを使った小物作りをしました
コースターとメモ(フォト)スタンドを
硬化までしばらく時間がかかりますので、完成したらまた学校までお届けにあがりたいと思います
これにて3日間の全工程終了です。
全日お天気に恵まれ、良い天気の中過ごせました!が・・・
夏休み中のインターンシップは季節がら、外の現場は暑く学生さんにはとても大変かと思います。
そんな中、頑張って色々と体験・お手伝いしてくれました。
どうもありがとうございました
これからももっともっと多くの学生さんに、土木(施工管理)のお仕事を知ってもらい、
少しでも興味を持ってもらえたらな~、と思いますっっ